副業初心者が始める前に知っておきたい5つの心得(看護師の副業の始め方①)

看護師の副業の始め方|初心者が知っておきたい5つの心得
まさこ

この記事のポイント

  • 看護業務で忙しいのに副業なんてできるの?
  • SNSみると、副業や起業してる人ってなんか楽しそう
  • お金は欲しいけど職は失いたくない

看護師の資格や知識を用いて仕事をする人(以降「看護職」)が副業をする時に大切なことは、優先順位をまちがえない、です。

副業は、実際に取り組んでみると「収入を伸ばせる人」と「すぐに辞めてしまう人」がはっきり分かれます。

私自身も18年間、看護師として副業に挑戦してきて、同じように悩む仲間をたくさん見てきました。

その中で分かったのは、長く続く人に共通する「ちょっとした工夫」を5つの心得としてまとめました。

突っ走って、本職を失ったり、体調を崩したり、はては家族関係が悪くなったりする前に、まずはここから考えてみましょう。

看護業務で忙しいのに副業なんてできるの?

「看護業務で忙しいのに副業なんてできるんですか?」とよく聞かれます。

その裏には、
「できるって言ってほしいけど、失敗するのは怖い」
「やりたいけど、時間も体力も不安」
…そんな気持ちが隠れているのだと思います。

結論から言うと「できます」。

完璧じゃなくてて、「自分に合った形」でなら、ちゃんと始められるし、続けられます。

たとえば子育て中に、「保育園のお迎えがあるから」と切実にお願いしたとき、同僚が「いいよ」と引き受けてくれることがありますよね。

それは、その人の“どうしても外せない事情”が伝わるから。

そして、お願いされた同僚も、「そこまで大事にしたいことなら」と感じるから、自然と「いいよ」と応じるんだと思います。

副業をやりたいと思う気持ちも、それも同じです。

できたらいいなって「希望」じゃなくて、するつもりの「予定」として扱ってみる。
そうするだけで、環境が違っても続けられる形はきっと見つかります。

副業初心者が失敗しやすいポイントと5つの心構え(看護職.Ver)

看護師の資格や知識を用いて仕事をする人(以降「看護職」)が副業をする時に大切なことは、優先順位をまちがえない、です。

自分のやりたい気持ちは、大切ですがその時によってチカラを入れるバランスは変わります。

突っ走って、本職を失ったり、体調を崩したり、はては家族関係が悪くなったりするのは残念なことです。

専門職なので、幅広い活躍の場があるので、まずは5つのルールを守ることから始めてみましょう。

心得①本業を大事にする

副業で収入を上げたり、自分の世界を広げていく人は、みんな「今ある安定をベースに」しています。

本業の給与や人間関係、業務などがつらいときの一つの手段ではありますが、副業はあくまでプラスであって、逃げ場ではありません。

収入面や働き口がある安心はもちろん、

  • 本業で培った知識や技術をベースで副業を展開
  • 本業の不平不満もブログのネタになる
  • 研修の時に体験談にも応用
  • 副業の経験が、今の本業を見直すきっかけにもなる
  • 人間関係や自分の視野を広がる

など、副業のおもしろさは、仕事も、人生のつらさや喜びすべてが自分の糧になるところです。

さらに転職を考える時に、別の収入があったり、どんな働き方がるのかをしっているのでは、やめる勇気にも差がでます。

しかし、体調や就業規則を無視して走り出すと、そんな経験もできずに結局は本業か健康を失うことになってしまいます。

安定をベースにシフトチェンジするぞ!くらいの気持ちが、副業を成功させる第一歩です。

心得②できることから小さく始める

副業をはじめるときに大切なのは、「できることから小さく始める」ことです。

副業は、本業の合間にするので、想像以上に体力も気力を使います。

ゼロから始めるのは、まったく知らない科に異動して、初日から夜勤を任されるようなものです。
一方で、できることから小さく始めるとは、これまでの経験をいかしながら「少しずつ新しい業務を覚える」イメージです。

たとえば、

  • 採血ができるから「健診のバイト」
  • こそだて経験があるので「子どもの看病のブログをかく
  • 貯金が多少あるので、「投資の勉強」

などです。
私も最初は、外科病棟で採血や退院指導をしていたので、健診アルバイトから始めました。それで保育所代くらい稼げて、とても嬉しかったのを覚えています。

副業は試しながら広げていくもの。
できることから小さく始めて、自分のプラスにしていってくださいね。

心得③お金について学ぶ

副業は働き方だけではなく、「お金」と向き合うことになります。

収入が増えると、これまで会社や病院にまかせっきりだった税金や社会保障を、自分で理解する必要が出てきます。
最初は少し面倒に感じるかもしれませんが、お金の仕組みがわかるようになるのは、採血の上達と同じです。

解剖生理学と基礎看護技術で血管の位置と手技を学び、実践していく。
繰り返すうちに「当たり前にできる自分」になっていきますよね。

お金も同じで、給与明細を読む、家計や自分のお小遣いの流れを見える化する、貯金したり小さな投資を試す。
そうした積み重ねが「使うお金」から「育てるお金」への意識を育て、人生設計を広げてくれます。
怪しい勧誘やうまい話ん惑わされなくなるのも副産物です。

私も以前は毎月の給与明細なんて見ずに、給与日になったらATMから引き出すだけだったんですけどね。

心得④生活リズムを守る

初めての副業では「とにかく頑張ろう!」と気合いが入りすぎて、つい夜勤明けに詰め込みすぎたり、家族の時間を削ってしまうことがあります。
けれど、それでは長くは続きません。

大切なのは、生活リズムを整えて、自分を大切にすることです。

睡眠がとれて、食事もしっかり食べられていると、体もこころも安定して「やろう」と思ったことに集中できます。
自分を整える土台があるからこそ、新しい挑戦もはじめられます。

逆にその場しのぎで無茶をすると、後々に体調を崩したり、本業に支障が出たりして「やっぱり副業なんて無理」と挫折につながりやすくなってしまいます。

だからこそ、今の自分の生活と仕事に合わせたペースをつくっていくことが大切です。

心得⑤「なぜするか」目的と目標を言葉にする

副業をするなら、まず「なんでやりたいのか」を自分の言葉で言えるようにしておきたいですね。
これはほんと、大事だと思うんです。

看護職が「かけもち(副業)してます」というと、
「常勤になれば?」「転職すれば?」「管理職になれば?」と、収入アップの提案をされるのが普通です。

もちろん収入は大事な理由のひとつ。
でもその奥には、

  • 第二の収入源がある安心感
  • 子どもや家族と過ごす時間を大切にしたい
  • 命を預かる責任から少し離れて気持ちを軽くしたい
  • 体力や体調に合わせて働き方を変えたい
  • 人間関係のしがらみから自由になりたい

そんな理由が隠れていることも多いんですよね。

だからこそ、コツは「私は」で質問に答えること。

「私は、子どもとの時間を取りたいけど、夜勤外すと収入が厳しいから」
「私は、パート勤務にボリュームダウンしたいから、ブログで月10万を目標にしてます」
「私は、パートナーの収入も仕事の幅もひろがっていくのがうらやましいから」

理由は人の数だけあっていいんです。

「私にとって副業は〇〇のため」──そう言えることが、自分の選択を守り、続ける力につながります。

ちなみに私は、「看護職の可能性知れるのって、おもしろくないですか?」といってます。

看護師が副業やぷち起業で後悔しないために

副業も起業も、うまくいくかどうかは、自分で決めて、自分で動いた結果です。

ただ、看護職には特有の落とし穴もあると思うんです。
「国家資格=安定してお金を持っている」と誤解されやすいこと。
臨床以外のキャリアを歩む先輩が身近に少なく、情報が偏りやすいこと。
真面目で責任感が強いからこそ「やると決めたらやめられない」性格が利用されやすいこと。

私自身も、「在宅でできますよ」とか「1日○時間で」とか甘い言葉に心が動いたり、「この資格なら」と期待して高額講座に申し込んで、赤字になったこともあります。
けれど、その失敗も含めて自分の責任で進んできたからこそ、学べたことがたくさんありました。

だからこそ思うのは大事なのは、他人の言葉に流されず「自分の道」として選んでいくこと。同じように悩む誰かが、私の経験から少しでも学べたらうれしいです。

まとめ

「看護業務で忙しいのに副業なんてできるの?」とよく聞かれます。
裏には「できるって言ってほしいけど失敗は怖い」「やりたいけど体力や時間が不安」という本音が隠れているのかもしれません。

完璧じゃなくても、自分に合った形なら始められるし、続けられます。

大切なのは優先順位を間違えないこと。
夜勤明けに詰め込みすぎたり、家族の時間を削ってしまえば本末転倒です。
だからこそ「本業を大事に」「小さく始める」「お金を学ぶ」「生活リズムを守る」「目的を言葉にする」この5つの心得が軸になります。

看護師の知識や経験は、病院の外でも十分に力になります。
ただし、安易な広告や甘い言葉には注意。私自身、失敗を通じて学んだのは「自分の道は自分で決める」ことでした。

副業は逃げ道ではなく、働き方の幅を広げる準備です。安心を守りながら、あなたらしい形で一歩を踏み出してみてください。

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まさこ
まさこ
看護師/キャリアコンサルタント
Profile
「白衣がなくても資格は消えない」
病院・保健福祉センター・保育所での勤務を経て、現在は研修講師、キャリアコンサルタントととしての相談支援、書籍や記事の執筆など多方面で活動しています。
30代で、一度看護師以外の仕事にも挑戦してみようと面接を受けたとき、「看護師なのに?」と落ちた経験があります。
資格は強みでもあり、ときには重荷にもなるもの。 そんな現実があるからこそ、看護師の資格を活かす多様な働き方を、一緒に探していきたいと思っています。
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